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Bernadette
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・通り魔と通り魔を拾った人
通り魔……41、ホームレス通り魔、動機は特にない
拾った人……黒崎、バーテン、うっかり通り魔を拾っちゃった

・誘拐犯とロリあるいはショタ
誘拐犯……まじめそうなサラリーマン、うっかり誘拐しちゃった、ので光源氏計画でも
された人……ロリかショタ、うっかり誘拐されたけど事件になっていない=まともな家庭で育っていない、どんどん懐いていく

・監禁している人と監禁されている人
監禁する方……愛してるんで監禁させて☆、愛してるけど外に出たいって言い出したら鬼の形相
されている方……抵抗するのに疲れて最近無気力、首輪と鎖じゃらじゃら

・万引き犯とコンビニ店員
万引き犯……中学生か高校生、捕まることを前提に万引きする、つまりただの構ってちゃん
コンビニ店員……毎度毎度捕まえるけど警察には突き出さない

・食人と共犯者
食人……特定の条件を満たした人を食べたくなって仕方ない
共犯者……食人する方の手綱を握っている

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 トウギミが懐中時計を取り出し、開いて見せた。
 短針は既に12を指し、長針はあと一歩。午前零時まであと一分だ。あと一分で今日が終わり、明日が今日に変わる。
 カイエは視線を上げて壁に掛けられた絵画を正面から睨んだ。肖像画の中で女性は微笑んでいた。表面がくすんでいるのは火事にあった時の煤なのか、だがこの絵の持ち主が、それを処理しないのはおかしい。だとすれば元々この色合いだったのかもしれない。劣化と考えるには、この絵は新しすぎる。
「カイエ、あと十秒です」
 トウギミが静かに告げた。
 心の中で、一つ一つ数字を数え上げていく。
 三、二、一。
 〇を唱えた瞬間、くすんだ色合いの絵が燃え上がった。
「っあ」
 思わず口から小さな声が出た。そうなると分かっていつつも驚きは隠せない。絵が燃えていた。激しい赤色の炎が陽炎のように揺らぎ、微笑む女性を覆っていく。
 だがそれは幻だ。五歩分後ろに下がったカイエに、炎の熱は伝わっていない。
「トウギミ、熱いか」
「いえ、何も感じません」
「なら、これは」
 カイエは唇を閉ざした。トウギミもまた無言で懐中時計の蓋を閉め、懐に戻す。女性の表情は変わらず、炎は燃え上がるだけで絵が焼け焦げた様子はない。
「哀れなことだ。この絵をどうにかしたところで、何か変わるって訳でも無かろうに」
 比翼鳥を片手に抱いて、シラヌイの店に行く途中だった。
 露店で売られていたのは携帯ゲーム機だった。永世も見たことのある有名な物で、そういえば昔持っていたな、と感慨深い気分になった。
「ようお兄さん、買っていかないか? 今じゃ型遅れって言われてるが、ちゃあんと使えるぜ」
 おそらく、悩んだ時間はそう長くはなかっただろう。


「永世? 何をやってるんです?」
 食事の準備の合間にゲーム機の後ろに電池を入れ、一緒に買って来たゲームソフトを挿入する。小さな画面にゲームタイトルが浮かび、ひらがなばかりのメニュー画面が開かれた。後ろから覗き込んできたシラヌイが、興味津々といった様子で触ろうとしてくる。
「ゲームだよ。外じゃ結構人気だったんだ」
「すごいですね」
「まあな。こういう機械はあんまないもんな、夜街って」
奇妙な標本に心を奪われている叔父と、叔父に恋をしている「あたし」のお話。


・叔父
 母方の叔父。テルオと設定が近くなりそうな予感……。
 三十代後半~四十代前半。都心から電車で三時間以上かかる某田舎に在住。一軒家でほぼ隠居みたいなものだが、実際はそれなりに有名な小説家(あるいはライター)で、収入源はきちんと確保している。
 書斎に閉じこもり仕事をしているかと思えば、庭に出て植物の世話をし、また書斎に閉じこもる。
 書斎には基本的には誰も入れない。ある標本を心の底から愛している。あるいは執着している。

・「あたし」
 叔父からしてみれば姪。せっかくのゴールデンウィークだが両親がうっかり仕事で出張が重なってしまったため、昔から慕っていた叔父の元に遊びに来た。
 叔父に対して恋愛感情を抱いている。ただし叔父はそれに気付いていない。多分叔父は一生気付かない。「あたし」もただひたすら慕うだけ。
 叔父にひっつき続けたおかげか、叔父の書斎に入ることを許された。叔父が執着する標本を見ているが、それの正体はいまだ分からない。ただ、叔父の愛情がすべてそれに向けられている事実に苦々しい思いを抱いている。

「ねえおじさん、あたし」
 大人になんてなりたくない。言葉を飲み込んだ。おじさんはただ笑う。何もかも悟っているような目で。
 だからきっとあたしはここで埋めてしまうのだろう。飲み込んでしまった言葉と叶うことない願いと。他のたくさんの何かをここに埋めてしまうのだろう。その上に種をまいて、水を掛けて、ここを綺麗な庭にするのだ。
 少女だったあたしは花の養分となって、秋には枯れる。
 誰か一人を思い続けるのはとても大変なことだ。あたしは諦めてしまうんだろうか。十年以上諦めず、その人を追い続けているおじさんを諦めてしまうんだろうか。生まれた時から側にいたその人への愛情はただの刷り込みなんだろうか。愛してくれたから愛しただけの、条件反射だったんだろうか。
 じゃあ愛するってどういうことなのかをあたしに教えて欲しい。あたしがこの人に抱く思いを正しい言葉にして欲しい。
 部屋の片隅で眠り続ける標本に願いを込める。お願いだから一生、このままずっと目を覚まさないで。そうしていつか絶望してくれれば良い。絶望した先で、あたしがあなたを待ってるから。
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