コンビニのビニール袋の中で、三本のマニキュアと缶ジュースが音をたてて触れ合った。額に滲んだ汗を同じく汗の滲んだ手の甲で拭う。長い坂を黒いローファーでひたすら歩いていく。坂を上り、下り、目的地は近いようで遠い。
慣れ親しんだ潮の香りが今は疎ましかった。頭上では強烈な日差しを提供する太陽が隠れもせず堂々とし、右側を向くと青い海が広がっている。濃い海の匂いが暑さと相まって、体から力を奪っていく。あつい、と呻いてブラウスの胸元を扇いでも、生ぬるい空気が体を撫でるだけだった。ボタンを一個外し、袖を更に捲った。
無言で坂を上り、その勢いで下っていく。海が近くなる。灰色のコンクリートブロックを行儀悪くよじ登り、砂浜に降り立った。顔なじみの小学生達が楽しげに海に入って遊んでいる。掛けられる声に応えながらローファーと靴下を脱ぎ、両手に持った。
「今日もあそこ行くの?」
小学生の一人が指さしたのは、砂浜で繋がった、離れ島だった。
「そうだよ」
「あー、あのお兄さん」
「今日もいるよー」
「ありがと」
目的の人は今日も離れ島にいるようだ。小学生達に手を振って、裸足で砂浜を歩く。満潮時には消えてしまう、離れ島への道を行く。
コンビニに売られた一つ三百円程度の安っぽいマニキュアを、少しずつ買い溜めていく。自分の部屋の勉強机に置かれたマニキュアは値段相応に安っぽく、それが自分にはよく似合っているようにも思えた。今日新しく買った三色を見栄え良く並べようと手に取った。深い青、クリームソーダに似た緑、電球のような黄色。
慣れ親しんだ潮の香りが今は疎ましかった。頭上では強烈な日差しを提供する太陽が隠れもせず堂々とし、右側を向くと青い海が広がっている。濃い海の匂いが暑さと相まって、体から力を奪っていく。あつい、と呻いてブラウスの胸元を扇いでも、生ぬるい空気が体を撫でるだけだった。ボタンを一個外し、袖を更に捲った。
無言で坂を上り、その勢いで下っていく。海が近くなる。灰色のコンクリートブロックを行儀悪くよじ登り、砂浜に降り立った。顔なじみの小学生達が楽しげに海に入って遊んでいる。掛けられる声に応えながらローファーと靴下を脱ぎ、両手に持った。
「今日もあそこ行くの?」
小学生の一人が指さしたのは、砂浜で繋がった、離れ島だった。
「そうだよ」
「あー、あのお兄さん」
「今日もいるよー」
「ありがと」
目的の人は今日も離れ島にいるようだ。小学生達に手を振って、裸足で砂浜を歩く。満潮時には消えてしまう、離れ島への道を行く。
コンビニに売られた一つ三百円程度の安っぽいマニキュアを、少しずつ買い溜めていく。自分の部屋の勉強机に置かれたマニキュアは値段相応に安っぽく、それが自分にはよく似合っているようにも思えた。今日新しく買った三色を見栄え良く並べようと手に取った。深い青、クリームソーダに似た緑、電球のような黄色。
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