忍者ブログ
Admin*Write*Comment
Bernadette
[44]  [43]  [42]  [41]  [40]  [39]  [38]  [37]  [36]  [35]  [33
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 コンビニのビニール袋の中で、三本のマニキュアと缶ジュースが音をたてて触れ合った。額に滲んだ汗を同じく汗の滲んだ手の甲で拭う。長い坂を黒いローファーでひたすら歩いていく。坂を上り、下り、目的地は近いようで遠い。
 慣れ親しんだ潮の香りが今は疎ましかった。頭上では強烈な日差しを提供する太陽が隠れもせず堂々とし、右側を向くと青い海が広がっている。濃い海の匂いが暑さと相まって、体から力を奪っていく。あつい、と呻いてブラウスの胸元を扇いでも、生ぬるい空気が体を撫でるだけだった。ボタンを一個外し、袖を更に捲った。
 無言で坂を上り、その勢いで下っていく。海が近くなる。灰色のコンクリートブロックを行儀悪くよじ登り、砂浜に降り立った。顔なじみの小学生達が楽しげに海に入って遊んでいる。掛けられる声に応えながらローファーと靴下を脱ぎ、両手に持った。

「今日もあそこ行くの?」

 小学生の一人が指さしたのは、砂浜で繋がった、離れ島だった。

「そうだよ」
「あー、あのお兄さん」
「今日もいるよー」
「ありがと」

 目的の人は今日も離れ島にいるようだ。小学生達に手を振って、裸足で砂浜を歩く。満潮時には消えてしまう、離れ島への道を行く。



 コンビニに売られた一つ三百円程度の安っぽいマニキュアを、少しずつ買い溜めていく。自分の部屋の勉強机に置かれたマニキュアは値段相応に安っぽく、それが自分にはよく似合っているようにも思えた。今日新しく買った三色を見栄え良く並べようと手に取った。深い青、クリームソーダに似た緑、電球のような黄色。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール
URL
コメント
文字色
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
  • ABOUT
ネタ帳。思いついた文章を投下するだけの場所。
  • カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
  • プロフィール
HN:
瑞樹
性別:
非公開
  • ブログ内検索
Copyright © Bernadette All Rights Reserved.*Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics*material by 工房たま素材館*Template by Kaie
忍者ブログ [PR]