九条に無理矢理引っ張られて、到着したのは幼稚園だった。
九条は手慣れた様子で背の低い門を開けて敷地に足を踏み入れた。立ち止まる黒崎を一瞥し、早く来いと無言で急かす。一体何なんだと頭を掻いて黒崎もそろそろと中に入った。園児達は今は中で遊んでいるのだろう、外には誰もいない。
玄関まで入ると、先生だろう女性が九条を見てにっこり笑った。
「あら、こんにちは、リンちゃんのお兄さん」
「どうも。リンを迎えに来たんで」
「はいはい、ちょっと待ってくださいね」
リンちゃーん、と先生がのんびりした声でホールへ向かって叫んだ。たったったと軽い足音がすぐにやってきた。黄色い帽子に小さな鞄を肩から提げたリンが、頬を上気させて駆け寄ってきたのだ。
「おうリン、帰るぞ」
「はーい! 先生、さようなら!」
「さようならー」
九条は手慣れた様子で背の低い門を開けて敷地に足を踏み入れた。立ち止まる黒崎を一瞥し、早く来いと無言で急かす。一体何なんだと頭を掻いて黒崎もそろそろと中に入った。園児達は今は中で遊んでいるのだろう、外には誰もいない。
玄関まで入ると、先生だろう女性が九条を見てにっこり笑った。
「あら、こんにちは、リンちゃんのお兄さん」
「どうも。リンを迎えに来たんで」
「はいはい、ちょっと待ってくださいね」
リンちゃーん、と先生がのんびりした声でホールへ向かって叫んだ。たったったと軽い足音がすぐにやってきた。黄色い帽子に小さな鞄を肩から提げたリンが、頬を上気させて駆け寄ってきたのだ。
「おうリン、帰るぞ」
「はーい! 先生、さようなら!」
「さようならー」
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