永世が大食いなのは、自分の体を維持させるためだ。定期的に花を咲かせ吐き出す体質の永世は、花が咲くたびに体が削られていく。丸々と太る気で食べなければ、花を咲かせる時に体が保たない。
それに対してシラヌイは、永世のような事情があるわけではないが健啖家だ。おかげで二人がそろって食事をとる時は、たいてい四人分以上用意する羽目になる。
そのことを正しく理解しておきながら、わざわざ準備が面倒な料理を振る舞うつもりになってしまった自分を、永世は呪いたくなる。片手には比翼鳥の少女を、片手には大量の野菜や卵、そしてパンを、それぞれ抱えてシラヌイの店に入った。カウンターにいたシラヌイは、永世を見て慌てて荷物を持ってくれた。荷物を持つ永世がよっぽど頼りなく見えたらしい。
「別に、これぐらいじゃ倒れない」
「そうは言ってもあなた、そんなに丈夫じゃないでしょう」
「昔は丈夫だったよ」
「昔は、でしょう」
呆れたように言いながら、シラヌイは荷物を奥に運ぶ。中身をのぞきこんだ彼は不思議そうに首を傾げていた。永世が頭にしがみつく比翼鳥を撫でると、彼女はくすくすと笑う。
「今日は俺の番だから。サンドイッチでも作ろうかと」
「?」
「サンドイッチ。洋食」
「さんどいっち」
「うん」
和食の彼には聞き慣れない単語だろう。
それに対してシラヌイは、永世のような事情があるわけではないが健啖家だ。おかげで二人がそろって食事をとる時は、たいてい四人分以上用意する羽目になる。
そのことを正しく理解しておきながら、わざわざ準備が面倒な料理を振る舞うつもりになってしまった自分を、永世は呪いたくなる。片手には比翼鳥の少女を、片手には大量の野菜や卵、そしてパンを、それぞれ抱えてシラヌイの店に入った。カウンターにいたシラヌイは、永世を見て慌てて荷物を持ってくれた。荷物を持つ永世がよっぽど頼りなく見えたらしい。
「別に、これぐらいじゃ倒れない」
「そうは言ってもあなた、そんなに丈夫じゃないでしょう」
「昔は丈夫だったよ」
「昔は、でしょう」
呆れたように言いながら、シラヌイは荷物を奥に運ぶ。中身をのぞきこんだ彼は不思議そうに首を傾げていた。永世が頭にしがみつく比翼鳥を撫でると、彼女はくすくすと笑う。
「今日は俺の番だから。サンドイッチでも作ろうかと」
「?」
「サンドイッチ。洋食」
「さんどいっち」
「うん」
和食の彼には聞き慣れない単語だろう。
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