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Bernadette
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もしもメルヘンティックメランコリックを単体としたら、また黒友みたいなのをやっても良いんじゃないだろうか。
あるいは、黒崎中心の大学生四人組話。


・黒崎
・下の名前は不明。
・大学生、英語と数学が出来ないので、おそらく文学部国文学科とかそんなん。
・やるんだったら近代文学研究。
・バーテンのアルバイト中。
・人脈が異常に広い。
・大食い。
・実家には帰らない。父親と仲が悪い、というより父親を一方的に嫌っている。
・妹二人いるけど一人は同じ歳。


・駅のホームで線路に落とされる
・私と契約してトルソーになってよ!
・深夜のコンビニにて、羽住と吉田と
・授業談義
・綺堂と
・ありりんと
・新田と
・ちょwwおまwwww
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 部室に置きっぱなしのエレキギターを背負って塾に行った。いつも学校が終わったらすぐ塾に向かうようにしている。学校から家への途中に塾があるからだ。ギターを部室から持ってきたのはこれから夏休みで、学校に行くことが少なくなって練習が出来ないからという理由だ。黒いナイロンがてらてら私の後ろで光っていた。
「ギター?」
 国語の先生が言う。国語の授業が終わって、教室に一人残って宿題をしていた時だった。黒崎という名前の男の先生はすらりとした長身で、スーツがよく似合っていた。暑いにも関わらず白いシャツを着ていたけれど、そのシャツは黒板のせいですこしだけ汚れていた。
「軽音部なので」
「メーカーは?」
「シャーベル」
「渋いな」
 随分とマイナーなはずのメーカーをどうやら先生は知っているようだった。ちょっとだけ誇らしく思った。軽音部の部室の倉庫に置かれたギター。私の安らぎ。このギターの音がどれだけ私の好きな音なのか、語ってくれたら先生は理解してくれるだろうか。少なくとも奇妙な目で見てくる他の部員達とは違うと思いたい。けれど私は語ることなく頷いただけだった。
 女子校は魔窟だと心の底から思う。外側からじゃ見えない内側はとてもどろどろしていてハチミツのようにも、腐りきった粘液のようにも思える。そのどろどろからなんとかして逃げようとしたところで一人になるしかなく、わたしは保健室でただ惰眠を貪るしかないのだ。痛むはずのない腹と頭を抱えてセーラー服のスカーフを投げ捨てて、靴を置き去りに布団の中で卵になる。わたしは卵です。でもきっと何も生まれてこない。生まれてくるはずもない。
 きっとこの空間はおかしく歪んでいる。けれどそれをただすことはとても難しいんだろう。なぜなら歪み始めてから時間が経ちすぎているのだ。そして誰も彼も気付かないうちに染まっていく。何も気付かないまま、わたしも染まってしまえば楽だったろうに。中途半端に残してしまったものがそれをとどめているからもどかしい。どうせならすべて捨ててきてしまえば良かったのに。出来るはずもないことを願って卵はひたすらチャイムが鳴るのを待つ。部室に置きっぱなしのシャーベルを想像する。誰が買って誰が使ってきたのかも分からないエレキギターはきっとわたしを待ってくれている。誰も使ってくれなかった古びたギターはわたしの心の唯一の安らぎだった。


黒崎+綺堂+千景=きょうだい

黒崎=11月生まれ
綺堂=1月生まれ

黒崎+千景=血が繋がっている
黒崎+綺堂=父親が同じ


黒崎、千景の母死亡→黒崎、千景父、綺堂母、結婚

・黒崎、綺堂は中学校で同じクラス。綺堂の髪は短い。仲が良い。
・小学校の時点で黒崎の母親死亡。中学校で父親と綺堂の母親が再婚。綺堂、実質黒崎姓。
・黒崎父、綺堂母と関係を持っていた。黒崎と綺堂は父親が同じ。
・再婚後も綺堂は黒崎姓を名乗っていない。仲が悪い訳ではない。むしろ黒崎が勝手に家を敬遠しているだけ。
・高校進学を機に黒崎、一人暮らし開始。綺堂と喧嘩。綺堂、自分も一人暮らしを開始。
・黒崎自身は父親が嫌い。優しくしてくれる継母は嫌いではないが、申し訳なさで顔を直視できない。
・綺堂自身は何とも思っていない。母子家庭だったので父親がいることが不思議。妹が出来て嬉しい。
・千景は父親も母親も好き。ただし綺堂は連れ子で血は繋がっていない、と思っている。家庭事情を理解していない。
OE
 頬にガーゼを当てて帰宅した家主はひどく不機嫌そうな顔をしていた。それでも床に寝転んでいた41を見る目はいつものように穏やかで、表情と目の感情が違うことに41は目をぱちぱちさせた。
「ただいま」
「おかえりぃ。どうしたそれ」
「殴られた」
「え?」
 素直に驚いた。またまばたきをする。家主はふいと顔を背け、着ていたジャケットをハンガーに掛けた。冷蔵庫を開け缶コーヒーを取り出す。横顔には悪目立ちする白いガーゼが存在感を主張していた。
「めずらしー。黒崎らしくない」
「俺もそう思う。人様の事情に頭突っ込んだ結果がコレだよ」
「ふぅん?」
 プルタブが開けられた。
「41はさ、この部屋にいて不便?」
 コーヒーの匂いがした。彼が飲むコーヒーはいつでもブラックだ。
「へ、なんでさ」
「いや、なんとなく」
「嘘つけ」
「ああ嘘だな」
「んでなんだよ」
「答えたくなかったら」
 答えなくて良い、と家主は言う。
「俺は別に、不便とか感じないけどなあ」
 だから答えた。
「……そうか」
「なに、心配だった?」
「ちょっとだけな」
 今更なことだと41は笑う。
「不便とか感じてたらとっくの昔に消えてるよ」
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