女子校は魔窟だと心の底から思う。外側からじゃ見えない内側はとてもどろどろしていてハチミツのようにも、腐りきった粘液のようにも思える。そのどろどろからなんとかして逃げようとしたところで一人になるしかなく、わたしは保健室でただ惰眠を貪るしかないのだ。痛むはずのない腹と頭を抱えてセーラー服のスカーフを投げ捨てて、靴を置き去りに布団の中で卵になる。わたしは卵です。でもきっと何も生まれてこない。生まれてくるはずもない。
きっとこの空間はおかしく歪んでいる。けれどそれをただすことはとても難しいんだろう。なぜなら歪み始めてから時間が経ちすぎているのだ。そして誰も彼も気付かないうちに染まっていく。何も気付かないまま、わたしも染まってしまえば楽だったろうに。中途半端に残してしまったものがそれをとどめているからもどかしい。どうせならすべて捨ててきてしまえば良かったのに。出来るはずもないことを願って卵はひたすらチャイムが鳴るのを待つ。部室に置きっぱなしのシャーベルを想像する。誰が買って誰が使ってきたのかも分からないエレキギターはきっとわたしを待ってくれている。誰も使ってくれなかった古びたギターはわたしの心の唯一の安らぎだった。
きっとこの空間はおかしく歪んでいる。けれどそれをただすことはとても難しいんだろう。なぜなら歪み始めてから時間が経ちすぎているのだ。そして誰も彼も気付かないうちに染まっていく。何も気付かないまま、わたしも染まってしまえば楽だったろうに。中途半端に残してしまったものがそれをとどめているからもどかしい。どうせならすべて捨ててきてしまえば良かったのに。出来るはずもないことを願って卵はひたすらチャイムが鳴るのを待つ。部室に置きっぱなしのシャーベルを想像する。誰が買って誰が使ってきたのかも分からないエレキギターはきっとわたしを待ってくれている。誰も使ってくれなかった古びたギターはわたしの心の唯一の安らぎだった。
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