41は人殺しだ。正確に言うならば人殺しを生業とする人殺しだ。いわゆるところの殺し屋に近い。家と言った家はなく、トランク一つ、それだけが41の私物にあたる。ふらふらと旅でもするように街の中をさまよい歩き、時々人を殺し、生きている。
シャワーの栓を閉めると浴室に元の静けさが戻った。白い湯気が体から立ち上っている。曇った鏡をぬぐう。41自身の平らな体が映った。しばらくぼんやりとそれを見ていた。普段は服に隠れた肌は病人のように白かった。
家主のいない部屋を、タオルで髪の水気を拭きながら横断する。クローゼットの中を物色して適当な服を見つけ、冷蔵庫を開けてペットボトルの炭酸水に口をつける。中に入っていたプリンを食べながらテレビをつけると、人が線路に落とされる事件が報道されていた。
良くないなあ、とプリンを食べながら思う。人を線路に突き落とすのはよろしくない。少なくとも41はしない。何故わざわざそんな危険なことをするのか、そもそも人を殺すならばもっと安全なやり方があるはずだ。そこまで考えて、まあ自分の考える事じゃないよなあ、と思考することを止めた。食べ終えたプリンのカップをゴミ箱の奥深くに隠すように捨てた。
さて、と一息つく。物色した服の中から良さそうな物を選び、着替えた。いつものようにフードを深く被る。ついでに棚の奥に隠されていた一万円札数枚をトランクに詰め込んだ。来た時よりも美しく、とは言わないが、来た時と変わりないように部屋を整えた。
「おじゃましましたー」
にっこり笑って41は見知らぬ誰かの部屋を後にした。
シャワーの栓を閉めると浴室に元の静けさが戻った。白い湯気が体から立ち上っている。曇った鏡をぬぐう。41自身の平らな体が映った。しばらくぼんやりとそれを見ていた。普段は服に隠れた肌は病人のように白かった。
家主のいない部屋を、タオルで髪の水気を拭きながら横断する。クローゼットの中を物色して適当な服を見つけ、冷蔵庫を開けてペットボトルの炭酸水に口をつける。中に入っていたプリンを食べながらテレビをつけると、人が線路に落とされる事件が報道されていた。
良くないなあ、とプリンを食べながら思う。人を線路に突き落とすのはよろしくない。少なくとも41はしない。何故わざわざそんな危険なことをするのか、そもそも人を殺すならばもっと安全なやり方があるはずだ。そこまで考えて、まあ自分の考える事じゃないよなあ、と思考することを止めた。食べ終えたプリンのカップをゴミ箱の奥深くに隠すように捨てた。
さて、と一息つく。物色した服の中から良さそうな物を選び、着替えた。いつものようにフードを深く被る。ついでに棚の奥に隠されていた一万円札数枚をトランクに詰め込んだ。来た時よりも美しく、とは言わないが、来た時と変わりないように部屋を整えた。
「おじゃましましたー」
にっこり笑って41は見知らぬ誰かの部屋を後にした。
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