大通りを外れて細い路地を通って、白い壁を見つけたらそこがmerrow。祈るように手を組んだ人魚が描かれた壁、その横の黒い扉を開けてみる。そうするときっと、コーヒーの香ばしい、懐かしい香りがする。
左側を見ればカウンターがある。そこにはとても美しい男が立っているはずだ。彼はにこりと笑って迎えてくれるだろう。そう広くない店内は、彼ともう一人でまわっている。
カウンター席の他にはテーブル席がいくらか。けれど店は奥行きがある。テーブル席とカウンターがある方を表だとすれば、奥は裏ということになる。一見すると分かりにくいのは本棚が置かれている上に、照明が落とされているからだ。そしてそれ以上に、裏は事情がある人間にしか見えない。だから分からない。
そこにその人はいる。裏は壁に沿ってソファーが置かれ、その人は柔らかな黒革のソファーに背を預け、今日も微睡むように店にいる。
左側を見ればカウンターがある。そこにはとても美しい男が立っているはずだ。彼はにこりと笑って迎えてくれるだろう。そう広くない店内は、彼ともう一人でまわっている。
カウンター席の他にはテーブル席がいくらか。けれど店は奥行きがある。テーブル席とカウンターがある方を表だとすれば、奥は裏ということになる。一見すると分かりにくいのは本棚が置かれている上に、照明が落とされているからだ。そしてそれ以上に、裏は事情がある人間にしか見えない。だから分からない。
そこにその人はいる。裏は壁に沿ってソファーが置かれ、その人は柔らかな黒革のソファーに背を預け、今日も微睡むように店にいる。
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