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Bernadette
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自分の中の魔法使いキャラを吐き出す。

・蓮(Which Is Witch)
 魔女であり悪魔や精霊を召喚出来る召喚師。契約した悪魔の影響で、未来予知に近いことが出来る。20代前半の姿のまま、不老。
 記憶力がよい。普段は占い師か何かをやっている。他の魔女との繋がりが薄い。

・蝶子(Which Is Witch)
 蓮の母親であり魔女。呪いで若返った影響で記憶の一切と魔女としての能力の一切を失った。
 母親である以前に魔女で、魔女である以前に女だった。女としての自分を優先させたが為に蓮を捨ててしまった人。結果として、憎いけど愛しい人と出会うことは出来た。

・魔法使い(夕暮サンドリヨン)
 男。年齢不詳。鍵を使っていろんな場所に行ける。攻撃魔法なんて使えない平和な人。
 無実の罪で魔法使い連中に追い掛けられ、幼女を誘拐したと思われているが為に警察に追われている。甘い物、特にココアが好き。よく舌を火傷する。それでなくても話し方が途切れ途切れ。

・メイ(夜街)
 皐月荘の女主人。皐月荘の従業員である子供達は皆、メイによって制御されている一種の人形。
 まさしく母親。蝶子とは正反対に母親であり魔女。女というより本当に、母親。だから誰に対しても厳しく優しい。
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・世御坂カイエ
海衣。奇談の語り手、店の裏の住人、ソファーで微睡む人。長い黒髪、灰色の目。料理も接客も掃除もできるが今は何もしていない、名義だけのマスター。忙しい時に少し手伝う程度。


・世御坂ナツキ
魚月。数年前にカイエから店の営業全般任された。芸術品系美青年。実際のマスター。10歳ぐらいの時からいる。


・人が来る→話を聞く→解決する
・奇談を持った人間でなければ店の裏には入れない
・話の基本となるのは万葉集中の歌
・貿易の話
・10年くらい前に人から店を譲ってもらった
・ナツキは27~30くらい
・カイエは女だが口調は乱暴
・魔女の夜
・深海魚は笑う
・通路恋歌
・卯の花→中が空洞だから空木、花の香りはない、梅雨の前、境界を作る垣根
 大通りを外れて細い路地を通って、白い壁を見つけたらそこがmerrow。祈るように手を組んだ人魚が描かれた壁、その横の黒い扉を開けてみる。そうするときっと、コーヒーの香ばしい、懐かしい香りがする。
 左側を見ればカウンターがある。そこにはとても美しい男が立っているはずだ。彼はにこりと笑って迎えてくれるだろう。そう広くない店内は、彼ともう一人でまわっている。
 カウンター席の他にはテーブル席がいくらか。けれど店は奥行きがある。テーブル席とカウンターがある方を表だとすれば、奥は裏ということになる。一見すると分かりにくいのは本棚が置かれている上に、照明が落とされているからだ。そしてそれ以上に、裏は事情がある人間にしか見えない。だから分からない。
 そこにその人はいる。裏は壁に沿ってソファーが置かれ、その人は柔らかな黒革のソファーに背を預け、今日も微睡むように店にいる。
 彼は自分の作品を、すぐに燃やしてしまう。
 だから私は、彼が自分の絵を完成させたところを見たことがない。けれど彼が何を描いているのかは知っている。完成させたことはないけれど、描いている途中ならばいくらでも見られるからだ。彼は決して隠しているわけではない。ただ、本当に、自分の望み通りの絵を描こうとしているのだろう。そして望み通りにならないからこそ、完成しないままに燃やしてしまう。


 そうして消え去った彼が残したのは一枚の絵画だった。
 どこかの廊下だろうか、暗い壁はしかし、その先に光が溢れている。ぼんやりと病院の廊下を思い出した。生と死が隣り合った空間の静謐さと薄暗さがない交ぜになった青白い廊下だ。
 廊下に佇む人の姿に私は息を呑む。そして理解する。ああ彼は行ってしまったのだ。彼は、自分の世界へ行ってしまったのだ。
 私の母は夢見がちな人で、そう言ってしまえば私の父も同じくらい、夢見がちな人だった。
 いや、それは言葉が違うかもしれない。その子供である私が言うのも信用がないが、二人はどこか現実感がない。
 父と母の馴れ初めは、父が勤めていたケーキ屋だという。

「あなたと結婚したら、わたし、毎日美味しいケーキが食べられるのかしら」

 そんなことを言った母に、父は是と答え、まもなく二人は結婚した。その二年後には私が生まれた。
 そして今日も父と母と私が揃った食卓にはケーキが並ぶ。父が母のために作ったケーキが。それを母は本当に美味しそうに食べる。父はそれを見て微笑む。私もまたケーキを口に運ぶ。けれど母のような表情を浮かべることは出来ない。なぜならケーキは母のためのものだからだ。私のために作られてはいないケーキは他人の味がする。結局二人の世界は二人だけで回っていて、私は一人ぽつんと取り残され、ケーキは半分食べてすぐ止める。
 甘いはずの生クリームが口の中でべとべとと、まるで呪いか何かのように私の舌に絡みついた。
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