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 まとわりつく潮風と、汗で湿った肌が焼ける感覚。足を進めるたびに潮騒が近づいてくる。鳥の鳴く声が頭上を過ぎ去った。それを追うように視線を移すと、青空と海が見えた。
 白い砂浜が道のように伸びた先に、緑が茂る小さな島が見えた。満潮が近づいているせいか、道のような砂浜が今は更に細い。
 履いていたスニーカーを両手に持って白い砂に足をのせる。熱い砂に足が埋まる。歩を進めなければ、熱された砂で足が焼けてしまうような気がした。そしてそれは錯覚ではない。白のような金のような日差しに目を細めながら、島へと一歩一歩進んでいく。
 その島には名前が付けられているのだが、あいにくテルは知らない。途中何度か砂に足を取られ、転びそうになりながら到着した島は、木々の湿ったにおいがした。
 背負っていたリュックをおろして中からタオルを取り出すと、テルはそれで足を拭った。真っ白なタオルに細かな砂が絡みつく。指の間まで念入りに拭い、そうしてよういやくスニーカーに足を通す。安っぽい白色をしたスニーカーは熱い砂に慣れた足にはずいぶんと冷たく感じられた。
 リュックを背負いなおし、テルはまず島の入り口にたてられた古びた看板を見た。島の全体図が描かれた看板には島の名前が書かれていたはずだが、長年の風雨にさらされたせいか、あるいは誰かのいたずらか、今では読めない。
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