冬峰(冬野)……収集家。人間かどうかは不明。珍しい物好き。機械苦手。なんでも手に入る、らしい。欲しい者は何でも手に入るが、手に入ったそれを他人に渡せるとは限らない。
夏野(翠)……高校生くらい。セーラー服。冬峰の助手。クォーター。
夏野(聖)……翠の兄。旅人。
葛木桐子……翠のクラスメイト。黒髪ボブ。非常に仲が悪い。古書店のアルバイト。
狐女……古書店の店主。女。冬峰とは旧知の仲。
夏野(翠)……高校生くらい。セーラー服。冬峰の助手。クォーター。
夏野(聖)……翠の兄。旅人。
葛木桐子……翠のクラスメイト。黒髪ボブ。非常に仲が悪い。古書店のアルバイト。
狐女……古書店の店主。女。冬峰とは旧知の仲。
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黒崎+綺堂+千景=きょうだい
黒崎=11月生まれ
綺堂=1月生まれ
黒崎+千景=血が繋がっている
黒崎+綺堂=父親が同じ
黒崎、千景の母死亡→黒崎、千景父、綺堂母、結婚
・黒崎、綺堂は中学校で同じクラス。綺堂の髪は短い。仲が良い。
・小学校の時点で黒崎の母親死亡。中学校で父親と綺堂の母親が再婚。綺堂、実質黒崎姓。
・黒崎父、綺堂母と関係を持っていた。黒崎と綺堂は父親が同じ。
・再婚後も綺堂は黒崎姓を名乗っていない。仲が悪い訳ではない。むしろ黒崎が勝手に家を敬遠しているだけ。
・高校進学を機に黒崎、一人暮らし開始。綺堂と喧嘩。綺堂、自分も一人暮らしを開始。
・黒崎自身は父親が嫌い。優しくしてくれる継母は嫌いではないが、申し訳なさで顔を直視できない。
・綺堂自身は何とも思っていない。母子家庭だったので父親がいることが不思議。妹が出来て嬉しい。
・千景は父親も母親も好き。ただし綺堂は連れ子で血は繋がっていない、と思っている。家庭事情を理解していない。
黒崎=11月生まれ
綺堂=1月生まれ
黒崎+千景=血が繋がっている
黒崎+綺堂=父親が同じ
黒崎、千景の母死亡→黒崎、千景父、綺堂母、結婚
・黒崎、綺堂は中学校で同じクラス。綺堂の髪は短い。仲が良い。
・小学校の時点で黒崎の母親死亡。中学校で父親と綺堂の母親が再婚。綺堂、実質黒崎姓。
・黒崎父、綺堂母と関係を持っていた。黒崎と綺堂は父親が同じ。
・再婚後も綺堂は黒崎姓を名乗っていない。仲が悪い訳ではない。むしろ黒崎が勝手に家を敬遠しているだけ。
・高校進学を機に黒崎、一人暮らし開始。綺堂と喧嘩。綺堂、自分も一人暮らしを開始。
・黒崎自身は父親が嫌い。優しくしてくれる継母は嫌いではないが、申し訳なさで顔を直視できない。
・綺堂自身は何とも思っていない。母子家庭だったので父親がいることが不思議。妹が出来て嬉しい。
・千景は父親も母親も好き。ただし綺堂は連れ子で血は繋がっていない、と思っている。家庭事情を理解していない。
夏野聖。わたしよりふたつ年上で、男。灰色のような青色のような不思議な目をしている。背が高い。顔の彫りがすこし深い。髪の毛の色が薄い。意外と肌が白い。でもひ弱ではない。眉間にしわがよっている。でもたぶんそれはまぶしいからで、不機嫌なわけではない、とおもう。
今日は風が強い。風が吹くたび、目の前で色素の薄い髪と私の長い黒髪が揺れた。終わりかけた夏の、暑さをはらんだ風は耳元でごうごうと鳴っていた。声が聞こえない。そもそも聞こえなくて良い声なのかもしれない。耳をふさごうと思ってやめた。そうしたらきっと聖がわたしをよぶ声も聞こえなくなるから。
そうしてふさがれなかった耳に届いたのは潮騒だった。
海が近い。
こんな夢を見た、と聖は言った。
彼は夜の海にいた。海に浮かんでいた。まわりに陸のかげはなく、海は穏やかに凪いでいた。ちゃぷちゃぷと耳元で水の音がして、彼はただ波に揺られていた。暗い空には月が満ちた形で浮かんでいた。
やがて、水面を刻むように雨が降りはじめた。それは激しいものではなく、静かな、細い雨だった。それでも月が見えていたから、まるで狐の嫁入りのような雨だった。
彼の横にはもうひとり、ゆらゆらと揺れていた。彼のいもうとだった。彼によくにたいもうとは何も言わなかったけれども、彼とつないだ手をはなすことはなかった。時折いもうとの長い髪が波で揺れて彼の頬や肩を撫でた。水面に浮かんだ、色の薄い髪の毛は月明かりに照らされてとてもきれいだった。
いもうとは何も言わず、静かに目を閉じていた。彼もまた、同じように目を閉じた。やがて波が二人をゆっくりと運んでいった。遠くへ、遠くへ。
海の向こうにはきっと、二人の知らないところなのだろう。けれどおそろしさはなかった。二人はただ手を繋いだまま流されていく。その先になにがあるかは分からなかったけれども、二人一緒なら怖くはないだろうと、そう思っていた。
今日は風が強い。風が吹くたび、目の前で色素の薄い髪と私の長い黒髪が揺れた。終わりかけた夏の、暑さをはらんだ風は耳元でごうごうと鳴っていた。声が聞こえない。そもそも聞こえなくて良い声なのかもしれない。耳をふさごうと思ってやめた。そうしたらきっと聖がわたしをよぶ声も聞こえなくなるから。
そうしてふさがれなかった耳に届いたのは潮騒だった。
海が近い。
こんな夢を見た、と聖は言った。
彼は夜の海にいた。海に浮かんでいた。まわりに陸のかげはなく、海は穏やかに凪いでいた。ちゃぷちゃぷと耳元で水の音がして、彼はただ波に揺られていた。暗い空には月が満ちた形で浮かんでいた。
やがて、水面を刻むように雨が降りはじめた。それは激しいものではなく、静かな、細い雨だった。それでも月が見えていたから、まるで狐の嫁入りのような雨だった。
彼の横にはもうひとり、ゆらゆらと揺れていた。彼のいもうとだった。彼によくにたいもうとは何も言わなかったけれども、彼とつないだ手をはなすことはなかった。時折いもうとの長い髪が波で揺れて彼の頬や肩を撫でた。水面に浮かんだ、色の薄い髪の毛は月明かりに照らされてとてもきれいだった。
いもうとは何も言わず、静かに目を閉じていた。彼もまた、同じように目を閉じた。やがて波が二人をゆっくりと運んでいった。遠くへ、遠くへ。
海の向こうにはきっと、二人の知らないところなのだろう。けれどおそろしさはなかった。二人はただ手を繋いだまま流されていく。その先になにがあるかは分からなかったけれども、二人一緒なら怖くはないだろうと、そう思っていた。
山崎中心ではなく夏野中心で。
絵のモデルと人形のモデルになった女性と彼女を取り巻く数人。
山崎……美大生、絵のモデルを頼む
夏野……クォーター、絵、人形のモデル
誰か……人形作家、人形のモデルを頼む
誰か……中学時代の夏野を知っている
冬峰……夏野を引き取った人
つまり彼女は、異人さんに連れてられていってしまったのだと。あの暑い夏の日、わたしは思った。
絵のモデルと人形のモデルになった女性と彼女を取り巻く数人。
山崎……美大生、絵のモデルを頼む
夏野……クォーター、絵、人形のモデル
誰か……人形作家、人形のモデルを頼む
誰か……中学時代の夏野を知っている
冬峰……夏野を引き取った人
つまり彼女は、異人さんに連れてられていってしまったのだと。あの暑い夏の日、わたしは思った。
「クロりんって妹いるよね」
「そのクロりんって呼び方止めようぜ、妹いるよ」
「俺にもいるんだけどね、妹が『お兄ちゃんのお嫁さんになってあげる』って言ってくれたことある?」
「多分、ない」
「多分ってなんだい多分って。……俺、あるんだけど、さ」
「良いことじゃないか」
「うん、小さい時の話だしね、ほのぼのするよね」
「お年頃にそんなこと言われたら大変だけどな」
「そう、多分妹はそう言いたかったんだと思うんだ」
「……?」
「『大きくなったらお兄ちゃんをお嫁さんにしてあげる!』って言われたんだ……」
「…………」
「あれから十年以上。俺の妹はばりばりの運動部でたくましい子に成長しました」
「なあ羽住それフラグ立ってねえ?」
「そのクロりんって呼び方止めようぜ、妹いるよ」
「俺にもいるんだけどね、妹が『お兄ちゃんのお嫁さんになってあげる』って言ってくれたことある?」
「多分、ない」
「多分ってなんだい多分って。……俺、あるんだけど、さ」
「良いことじゃないか」
「うん、小さい時の話だしね、ほのぼのするよね」
「お年頃にそんなこと言われたら大変だけどな」
「そう、多分妹はそう言いたかったんだと思うんだ」
「……?」
「『大きくなったらお兄ちゃんをお嫁さんにしてあげる!』って言われたんだ……」
「…………」
「あれから十年以上。俺の妹はばりばりの運動部でたくましい子に成長しました」
「なあ羽住それフラグ立ってねえ?」